壱之巻       

弐之巻

昔、ある海に、猫ザメの寅吉が住んでいました。

毎日、毎日、たいそう働き者で、他の魚にも、かわいがられていました。

その隣に住んでいたネズミフグのチュウ太郎が、みんなにチヤホヤとされる、寅吉に嫉妬をしていました。

ある日、チュウ太郎が散歩をしていると、神様が降りてきて、何か、馬ヅラハギに話をしています。

耳を立てて聞いてみると、

「今度、十二支という、干支を作ろうと思うんじゃ」

「それはいい!面白そうですね!どうのようにして決めますか」

「そうじゃのう?どうしようかのう・・・」

チュウ太郎は言いました。

「神様、それはすごく難しい事ですね。

でもみんなが平等であるために、日にちを決めて、早い物準にしませんか?」

「そうじゃのう。みなに平等にするには、それしかないかのう?」

「僕は、体が小さいけど、すばやくて、いろんなとこにいけるので、みんなに、連絡しますよ!」

「そうか、では、チュウ太郎に頼むかのう!」

「はい、任せてください!」

チュウ太郎はまず、龍のオトシゴの竜太の所に

「竜太今度神様が12匹だけを 祭ると言っていて 1月1日に集まって欲しいそうだ!」

「わかった、出来るだけ早く行くよ!」

その後、トラフグのフグ雄の所に、サルハゼのモン吉の所に・・・・

そして、最後に猫ザメの、寅吉の所に・・・・

「寅吉、今度神様が12匹だけを祭ると言っている」

「それは面白い。ぜひ選ばれたいね!どうすればいいんだい!」

「1月2日に速い者順だそうだ!」

「そうか。その日は、仕事を休んで1番に行くよ!」

「そだね!1番って言うのはいいね!」

「ありがとう!」

そして、1月1日になり、朝からみんなが並びはじめていると、

神様が降りてきて、

「今から前から順に12匹干支を決める」

最初に並んでいるのは?

大きな体をした、うみウシのモー太だったので、神様が

「始めの干支は、ウシだと決めよう」

すると声がした。

「神様よく見てよ、僕の方が先に並んでいるよ」

よく見ると、モー太の鼻先に、小さなチュウ太郎が乗っていました。

「ごめん、ごめん、小さくて見えなかったよ。始めの干支は、チュウ太郎なので、ネズミだね」

そして、次がウシ、その次がトラフグのフグ雄でトラ・・・・・

そして12匹が決まり、祭りが始まった。

次の日1月2日に猫ザメの寅吉が待ち合わせの所に行くと

「やった!僕が1番だ!」

でも、待っても待っても、誰も来ません!1日待っても誰も来ません。

「どうしたんだろう?」すると、

ウサギべラのウサ子が通りがかり、

「何してるの?」

「今日、神様が・・・・・」

「えぁ!それは昨日だよ!私なんか1番だと思って来て見たら、4番目!

でも、いいんだ。干支に選ばれたから!

その後も、みんなでお祭り!楽しかったなぁ〜」

「そ・そんなチュウ太郎が、1月2日今日だって言ってたよ!」

「あ〜チュウ太郎に、はめられたね!あの子は1番に来ていたからね!」

「ぐぅ・・・!!」

寅吉は、怒りがドンドンと増してきました。

そして、チュウ太郎の所に、

「にゃー!にゃ!」

怒っている寅吉を見て、チュウ太郎も思わず、

「チュウ―!チュウー!」逃げ出した!

そう!だから、今でも、寅吉(ネコ)は干支になれなかった悔しさで、

チュウ太郎(ネズミ)を見つけると、追い掛け回しているんだね!

          おしまい!

 

壱之巻       

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